ヴィオラとピアノ Duo Recital
6月8日(日)15:00開演
ヴィオラ:マイケル・ザレツキー
ピアノ:柴田千賀子
【プログラム】
J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 ト短調 BWV1029
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ op.147
【サラマサカ6月8日公演に寄せて】
2020年2月、コロナが日本上陸かとニュースになり始めたその頃ボストン交響楽団ヴィオラ奏者マイケル・ザレツキーさんのコンサートがサラマサカでありました。感染対策に奔走してらしたスタッフの方々と演奏者の姿が今でも思い浮かぶとともに、いつもより心に沁みた音の記憶がよみがえります。そしてその翌日から集会禁止、そしてロックダウンと音楽がぱたりと失われた日々がやってきました。
そんな日々の中、ザレツキーさんご自身が旧ソ連でユダヤ人として生き延び、亡命を経て様々な経験をされてきたことを伺いました。そしてどんな状況においても私たちが音楽を止めることはないよ。今やるべきことは練習!と、ずいぶん励ましてもらいました。
この度、念願かなってザレツキーさんとこの素適なサラマサカで6月8日に共演させて頂けることになり、今からワクワクドキドキです。
今年はショスタコーヴィチ没後50年ということもあり、ザレツキーさんの最も思い入れが深く、得意とされるショスタコーヴィチのソナタを演奏予定です。
旧ソ連の当時の事情をよく知り、作曲者の家族とも面識があり、モスクワ時代には数多くの初演に立ち会ったり参加したりした、そんなザレツキーさんだからこそ知るこの作品の魅力をぜひお聴きいただけたらと思います。非公式ながらこの作品のアメリカ初演も務められています。
そしてあの甘美で切ない「アルペジョーネ・ソナタ」も演奏予定です。「野ばら」や「魔王」で有名な『歌曲の王』シューベルトならではの作品です。
オープニングは、『ブランデンブルグ協奏曲』を思わせるような、軽快なバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタです。ヴィオラ・ダ・ガンバは絵画にも描かれた昔の貴族たちが用いた美しい楽器で、優しい深みと温かみのあるヴィオラの音色にもぴったりの作品です。
上質なワインのようなザレツキーさんのヴィオラの音色をお楽しみ頂けましたら大変嬉しいです。 皆様のご来場を心よりお待ちしております。
ピアニスト 柴田千賀子